◆忍者◆

暗闇の中、並外れた身体能力と特殊な武器を用いて敵地に忍び込みかく乱する忍者。忍者が出現したのは日本がまだ統一国家ではなく地方でのせめぎあいが盛んだった約500年前。山や湖に囲まれた地方の小さな部族の集まりから生まれました。
★どうやって忍者は生まれたのか
忍者の里として有名なのは三重県の伊賀と滋賀県の甲賀です。ほとんどの忍者はこれらの地域から生まれています。その昔、伊賀や甲賀地方ではたくさんの部族がひしめいていました。土地や水をめぐる争いが絶えない中戦いの技法が磨かれていきました。十五世紀の後半将軍の軍隊がこの地域を征服する為に攻撃をしかけてきました。それまで反目していた部族たちはその時団結して将軍の兵と戦いました。並外れた強さと俊敏さに加え土地の特性を知り尽くした彼らはゲリラ戦法で数に勝る将軍の兵を見事に退けたのです。こうして彼らの特殊技能が全国的に注目を集めることになり彼らは忍または忍者と呼ばれるようになりました。各地の領主は競って忍者を雇いはじめ彼らはスパイや暗殺者として活躍したのです。
★忍者のテクニック
忍者はどんなテクニックを使ってスパイ活動をしていたのでしょうか?その一部をご紹介します。
煙や花火などを使い味方にシグナルを送る。
夜は黒や茶色の衣服で闇に溶け込み、昼間は農民、僧、商人、芸人など7種類の変装を状況によって使い分ける。
新月の日は侵入が容易になるというふうに天文学を用いる。
どの植物が食べられるか、毒であるか、または薬として使えるかといった植物学を用いる。
風の方向や強さを計算する。
動物の鳴き声を真似て侵入や逃亡に用いる。
人々の警戒を解き情報を聞き出す為に会話術などの心理的なテクニックを用いる。
新茶の季節はお茶の飲む人が増え人々の眠りが浅いので侵入には適さないといった様々な知識。
いかがですか?あれ?攻撃のテクニックは?と思われたかもしれません。当時の忍者の主な仕事は諜報活動。手裏剣やまきびしといった道具はつかんだ情報を主に届ける為にとにかく逃げなければならない忍者のサバイバルグッズなのです。もちろん攻撃された場合は反撃することもありますが、彼らに一番必要だったのは生き残る方法でした。そして生き残る為には武器や身体的能力だけではなく、天文学や植物学などの幅広い知識が必要だったのです。
ミステリアスだけど確実に存在し活躍していた忍者。まだまだ謎の部分が多いのですがそこがまた彼らの魅力のひとつかもしれませんね。